スカイロジックの松下です。
お客様とお話をしているとどうもAI(ディープラーニング)が勝手にOKかNGか判定してくれると思われていると感じる時があります。これは微妙なニュアンスの違いであり、実際の会話の中でわざわざ訂正するほどのものではないのですが、今日はそのモヤモヤを晴らしたくてこの記事を書きます。
さて上でモヤモヤと書きましたが実際何が違うかと言うと、ソフト上で何をOKとして、何をNGとするか決めているのは実は人間だということです。
「じゃぁAIって何してるんだ……」となってしまうのですが、答えを言ってしまうと弊社のAIが行っていることは「教わったモノを見つける」、本質的にはこれだけです。この機能は一般的に「物体検出」と呼ばれます。
「物体検出」では文字通り画像の中から「物体」を「検出」します。
(物体検出のイメージ)
この検出すべき物体としてネジを教えればネジを見つけるようになりますし、キズを教えればキズを見つけるようになります。この時あるものを「良品」と教え、あるものを「不良品」とするような教え方をすれば「良品」や「不良品」を区別するようにもなります。ただそこに「良い」とか「悪い」といった判断は無く、ただ「不良品」という名前の物体を見つけたという意味でしかありません。
物体を見つけたら、それが何個あるかをカウントします。これによって画像の中にネジが10本あるとか、キズが1カ所あるとか、加工穴が5カ所あるとか、右向きの物か、左向きの物かとかそういうことが分かるようになります。この何が何個あるか分かるという部分がディープラーニング(いわゆるAI)の役割です。
この時点ではまだ物の数をカウントしただけでOKもNGも無いわけです。カウント数量に対して人間が許容量を与えてはじめて、OK/NGの判定ができるということになります。
AIはシンプルにモノを見つける道具であると捉えると、活用方法が見えてくるかも知れません。何か「見つけたいモノ」があったら是非お問い合わせ頂けますと幸いです。