テクニック

PTZ ONVIFカメラに対応しました

こんにちは。南野です。前回の実験では安価なネットワークカメラに望遠レンズを装着することでネットワークカメラ特有の広角レンズを「狙って撮影する」挟角レンズにする方法について検討しました。

今回はズームレンズ付きのネットワークカメラを使って「狙う」テストを行いました。また今回は1台のカメラで複数個所を狙って撮影することを目的にPTZカメラを使用しました。PTZカメラとは:
Pan:横方向にカメラを振る
Tilt:縦方向にカメラを振る
Zoom:ズームする(光学的に画角を変える)
という機構が備わったカメラです。
(← は一般的なPTZカメラのイメージ)

早速画角を確認していきましょう。実験に使用したカメラは「光学5倍ズーム Onvif PTZカメラ CTIPC-550C-Z5B-4K」(約2万円)と「光学30倍ズーム Onvif PTZカメラ CTIPC-550C」です。テストで使用した黒いメーターパネルの横幅は30㎝です。

光学5倍レンズの場合

WD(レンズから撮影対象までの距離)40 cmの場合

広角側最大

画像周囲の歪みが若干目立ちます。

挟角側最大

歪みもなく、クリアに撮影できています。

WD(レンズから撮影対象までの距離)100 cmの場合

広角側最大

100cm離すと、広角側最大にした場合メーターが小さくなりすぎて読み取れません。

挟角側最大

メータ読み取りは可能ですが、もう少し寄って撮影したいところです。

光学30倍ズームの場合

WD(レンズから撮影対象までの距離)100 cmの場合

広角側最大

光学5倍と比較して画角が狭いです。

挟角側最大

100cmでは近すぎてフォーカスが合いませんでした。

WD(レンズから撮影対象までの距離)200 cmの場合

広角側最大

光学5倍のWD=100㎝と同程度で、読取不可です。

挟角側最大

200㎝離れていてもクリアに撮影できています。

WD(レンズから撮影対象までの距離)500 cmの場合

広角側最大

メーターの読み取りは不可能です。

挟角側最大

500㎝離れていても読み取り可能なサイズです。

光学ズームは5倍では倍率に物足りなさを感じました。光学30倍ズームのモデルでは5m離れていても個別のメーターを読み取れる程度に拡大できています。比較的広い場所でPTZカメラを使用する場合はできるだけ光学ズームの倍率が大きいものを選定した方がよさそうです。

今回のPTZカメラ(光学5倍)を使い、方向を変えながら画像処理を行うデモ動画を作成しました。ご参考になればと思います。

ONVIFカメラについて:

ONVIF(オンビフ、Open Network Video Interface Forum)は、AXIS、BOSCH、SONYが立ち上げたネットワークカメラ製品のインターフェースの規格標準化フォーラムです。この規格に準拠したカメラは(メーカーに関わらず)同じ方法で制御できます。EasyMonitoring2はONVIF規格のカメラに対応するようになり、ONVIFに対応したカメラからの画像取得の他、PTZ制御もできるようになりました。

ご注意が必要なのは、ONVIF規格に準拠したカメラでも安価なものは規格の一部の機能に限定して対応したものが多く、「ONVIFに対応している=EasyMonitoring2で必ず使える」とは言い切れない点です。EasyMonitoring2ではONVIF規格の中でもできるだけベーシックな(多くのカメラで実装されている)ものを使うことで、より広い種類・メーカーのカメラをカバーするように設計しています。

お手持ちのONVIFカメラがあり、使用可能かどうかわからない場合は是非ご相談いただければと思います。

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