機能・使い方

AI OCR機能を使った端子の抜け状態検査

皆さんこんにちは。スカイロジックの田中です。

今年はほぼ雨が降らずに梅雨明けしそうなので農家の方や川の水量が心配です。去年よりも暑い夏になりそうとのことで環境問題について改めて考えていきたいなと思います。

私はワイヤーハーネスの検査を担当することが多いのですが、端子の挿入加減の検査でお悩みというお話をよく耳にします。

従来型の画像処理でも端子の挿入加減の検査は可能なのですが、コネクタの形状が限られる、位置決めを行う必要がある等課題がございました。

EasyInspector2 指定色の有無モードを使用した検査結果↓

画像のように抜けを暗く写させる必要があり、検査枠からズレてしまうと正しく検査ができなくなります。

そこでAIを使用して検査を行ってみました。

未挿入、半挿入、完全挿入をそれぞれ学習させれば識別させることが可能となります。

「検出させる」まではAI物体認識機能で事足りるのですが、問題はどのようにして判定を出すのかという話になります。

AI物体認識はワークのキズや打痕など、全体からキズを探して認識する→キズが1つでも見つかったらNGとする、という設定を人間の手で作成することによって検査を成立させています。

つまり物体認識だけでは物体を認識するだけで、この横並びに出現しているならOK、という判定をすることはできません。

そこで使用するのがOCR機能となります。

もともとOCR(Optical Character Recognition/Reader(光学文字認識))とは画像データ内の文字をテキストデータに変換する技術です。

AI OCRはAI物体認識を使用し文字を学習させ、横並びになっている文字の正しい状態をOKと設定することによって、検出された左から一行に出現した文字のかたまりを検査することができる機能となります。

今回のワイヤーハーネスの端子抜けの検査はOCRの判定方法である「左から一行に出現した文字列が全てOK状態と一致しているか」という考え方を応用しました。

ハウジングの窓の状態(未(U)、半(P)、完(U))をそれぞれ学習させると左から順に検出結果が表示されます。

未はUn、半はPart、完はFull、色は頭文字を取りラベル付けをしました。

含まれていれば合格にチェックを入れ、正しいパターンを登録することにより検査が成立します。

この場合は1つおきに電線が完全挿入されている場合が正しいのでFUFUFUFが正しい順番となります。

改行によって何か所も検査することが可能なので色順の検査も同時にすることが可能です。

今回はFがあるべき箇所にPが検出されているのでNG判定が出ています。

このようにOCRの判定方法を応用することによって端子の抜け状態と色順を検査することが可能となります。

この場合は位置決め不要、従来型よりも照明環境もシビアにする必要は無いというメリットがございます。

AIを使用した端子の差し込み加減の検査を一度試してみませんか?

無償検証を行っておりますのでお気軽にお問い合わせください。

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