テクニック

調光とレンズの絞り

こんにちは、南野です。

日々お客様から頂く技術的なご質問の中で、お役に立ちそうな情報を載せていきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

さて、私の検査ブログ記事第一号は「調光とレンズの絞り」です。

昨日、画像検査ソフトEasyInspectorをご利用いただいているお客様から「インバータ蛍光灯って調光できないの?」というご質問を頂きました。EasyInspectorをご利用のお客様には「室内蛍光灯やインバータ蛍光灯で問題のない検査であればあえて高価な照明を付ける必要はありません」と申し上げています。

LED照明の多くは照明部と電源部が別になっており、電源部のつまみで調光できるようになっているためこのようなご質問は自然なことと思いました。

実は、明るさの調整には様々な方法があります。
1)調光
2)レンズのしぼり(産業用カメラの場合)
3)カメラの露光時間とゲイン設定

つまり、原理的には上の3つのうちのどれかが調節できれば明るさの調整ができるということになります。
では、何を使って調整するのが一番良いのでしょうか?

これはペットボトルのキャップの一部を撮影したものです。ピントはキャップの底に合わせてあります。左右とも同じ明るさですが、左の画像は右に比べてキャップの縁までピントが合っているのが分かるかと思います。これを「焦点深度が深い」ということがあります。

実はこれら2つの画像、照明は全く同じ明るさなのですが左はレンズのしぼりを絞って、さらにカメラの露光時間を上げています。しぼりを絞って画像が暗くなってしまう分、露光時間を長くして同じ明るさに戻しているのです。しぼりを絞ると「焦点深度」が深くなり、近いものにも遠いものにもピントが合いやすくなります。

このことから考えますと明るさ調整の順番としては:
1)照明はMax固定
2)露光時間を出来るだけ長く(あまり長いと手ブレと同じで画像がぶれてしまいます)
3)上記条件でできるだけ明るくした後、「しぼり」を絞って明るさの調節をする

ということになるかと思います。つまり明るさは常にMaxでOKです。
もちろんこの例に当てはまらない検査もありますが、大ざっぱな考え方としてはこのような感じで良いのではないかと思います。

ご参考になれば幸いです。

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