カメラの選定の中で悩みがちなのがインターフェースです。近年の産業用カメラではほとんどのメーカーがGigEとUSB3.0の両方のカメラを出しています。2つのインターフェースを用意しているのにはそれぞれのメリットとデメリットがあるためです。今回は、用途に合わせてどのようにインターフェースを選ぶかについて書きたいと思います。
それぞれの違いについては仕様として明確に決められているので、その一部を抜粋します。下の表を見て頂くことで今ご検討中の用途で選ぶべきカメラも明確になってくるかもしれません。
GigE | USB3.0 | |
転送速度 | 120 [MB/sec] | 350 [MB/sec] ○速い |
ケーブル最大長さ | 100 [m] ○長い | 3 [m] ※ |
給電 | PoEハブやPoE インジェクタが必要 又はカメラに直接給電 | PCからUSBケーブルで 給電が可能 ○簡単 |
GigE/USB3.0 仕様の対比表
※ メーカーによって5mや8mまでのケーブルを取り扱っていますが、動作が不安定になるケースがあるようです。
GigEでPCと接続する場合、LANケーブルで直接PCとカメラを接続してもPCからカメラに給電できません。そのためカメラに直接給電するか、別途PoEインジェクタ―やPoEハブをPCとカメラの間に入れてカメラに給電する必要があります。
大雑把な基準としては:
・PCとカメラ間のケーブルが取り回しを含めて3mを超えるとき → GigE
・PCとカメラ間のケーブルが3m以内で済み、簡単に接続したい → USB3.0
ということが言えると思います。USB2.0の頃はノイズなどに影響されやすく安定した接続が難しいと感じていましたが、USB3.0 Vision規格ができてからはUSBインターフェースも耐ノイズ性が向上したと感じます。
これまでは社内の検証作業にGigEカメラを使っていましたが、最近は簡便性の点からUSB3.0のカメラをよく使うようになりました。どちらが良いという訳ではなく、(特にケーブルの取り回しなど)どのような使い方をしたいかによってカメラを選ぶことになるかと思います。