カメラ受光センサーのシャッター種類は大きく分けて2つに分けられます。「グローバルシャッター」と「ローリングシャッター」です。この2つの違いは、センサーのピクセルを全て同時に露光させるか(グローバルシャッター)、上から1ラインずつ露光させるか(ローリングシャッター)の違いです。
この仕組みの違いが画像にどのような影響を与えるのでしょうか?代表的な例は下のような歪みです。移動しているものを撮影すると、グローバルシャッターであれば球形のものは球形として撮影されますが、ローリングシャッターの場合、上のラインから順に露光させている間にも物が移動してしまうので、露光の時間差の分、ひずみが発生します。
このように、移動体を撮影する場合に両者の違いが出てきます。「では、全てグローバルシャッターにすれば良いのでは?」という疑問も出てきますが、製造コストの面ではローリングシャッターの方が有利(低コスト)なのです。
そのため500万画素を超える産業用カメラでは一般的にローリングシャッターのラインナップが使われます。皆さんのスマホについているカメラのセンサーも多くはローリングシャッターです。
最後に注意したいのが、「移動体を撮影するのであればグローバルシャッターを選ばなければならない」という訳ではないということです。移動体を撮影する場合、ローリングシャッターでは当然歪みは発生してしまうのですが、例えば移動するシート上の異物を見つけたい、という用途ならば異物の歪みは検出性能に関係しないというケースも多くあります。
グローバルシャッターかローリングシャッターか、どちらを選択するかは用途とコストから判断することになりますが、貸出カメラを利用できるようなら、まずはローリングシャッターでテストしてみて、用途を満たすようならローリングシャッターを使う、という考え方で良いと思います。スカイロジックでも貸出カメラを用意していますのでお気軽にご連絡ください。