不織布関連の検査で弊社にお問い合わせがある対象は大きく分けて3つあります。
- ロール to ロール の状態での検査
- 不織布に柄を印刷した状態での検査
- 不織布をマスクなどに加工した状態での検査
それぞれの状態に応じて使用する仕組みが異なります。例えばロール to ロールでの検査ではEasyInspectorを使うことが多いですが、柄入りの不織布やマスクなどに加工した製品上で異物を検出するのはDeepSkyが得意とするところです。加工後の製品は凹凸や重なりがあるため一般的な二値化処理では誤検出が多発してしまいますが、ディープラーニングでは虫や毛髪、カスなどの特徴を学習して検出するため製品の柄や加工のばらつきにほとんど影響されないためです。ここではDeepSkyによる検出を紹介します。
毛髪やカスなどの異物
シワや破れの欠陥
ソフトと機器
ロール to ロールの検査では製品が移動している間、固定したカメラで監視続ける方法が適していますが、加工されて個別の製品となっている今回のマスクのような例では自動排出も考慮すると次のような仕組みが利用可能です。
DeepSkyの連続検査を利用
非常にシンプルな方法です。製品が流れるコンベア上にポン付けするだけでNG品の検出と排出が可能です。下の記事と同じ構成で、DeepSky、Intelligent I/Oユニット、排出用エアノズルを組み合わせます。DeepSkyはコンベア上の製品を連続的に検査し、NGヶ所を認識するとI/OユニットのNG出力がONとなります。この出力にエアノズルの電磁弁On/Offを接続することでNGが出た時にエアーを吹き出し、コンベアから落とす仕組みにすることができます。
PLCからDeepSkyにトリガをかけて検査
PLCと連動させるとより高度なハンドリングが可能になります。製品がカメラ内の適切な視野内に入ったタイミングでPLCからDeepSkyに対して検査トリガを送ります。DeepSkyは検査を行い、結果をPLCに返します。PLCは結果に応じて、例えば「異物」は箱Aへ、「加工ミス」は箱Bへなどに振り分けることができます。
機器構成
- 使用ソフト:DeepSky(学習版)
- 視野範囲:180 x 180mm
- 検査対象の最小サイズ:1mm
- 検査個所数:製品全体(数カ所程度の欠陥検出を想定)
- カメラ解像度:130万画素
- レンズ焦点距離:12mm
- レンズと製品との距離:約400mm
- 照明:バー照明、または室内灯
- 照明と検査品の距離:–